
売上隠し、適当な経費計上、自宅家賃の計上
相談内容
税務署より調査の通知が届いたので、準備や事前の対応をお願いしたい。
依頼者が気になっていた点
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①毎月業務委託先からの売上の入金があったが、年間売上1,000万円未満になるように調整(減額)していた。
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②経費計上していた領収書の一部を紛失しており、経費計上にあたり問題がないか。
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③自宅の家賃を経費計上しており、問題が無いか。
事前のすり合わせ
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①①の売上の調整に関しては、修正の必要がある。売上先も大きい会社なので、売上先は依頼者への支払いを正しい金額で外注費計上しています。反面調査で照会も行われるのでどの道調整額は明らかになってしまします。ここは潔く認めるところ。
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②経費計上した領収書の一部が紛失。領収書の一部の紛失自体を大きく指摘されることは少ない。全体的に領収書が保管されている中で一部が欠けているだけであれば、容認される可能性が高いので、この点は特別な対応をせずに進める。
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③家賃の経費計上に関しては50%程度行っていた。家賃のうち50%は事業に関わる経費であることを納得してもらえるように、内容を整理。作業している部屋の面積に加え、自宅での作業時間とプライベートで使っている時間等の比較を行い、当日の説明内容を検討。
全体的には、①に関しては言い逃れや理由付けが出来ない内容なので、真摯に認めて修正を行う意思がある事を積極的に伝える。
②や③に関しては、悪意がある訳では無く、ミス(書類紛失)や見解の相違(家賃計上の妥当性)に関する部分なので、①を認めたうえで出来るだけ容認してもらえるように交渉していく、という方向性に決めました。
税務調査結果
税務調査官は2人で来られました。税務調査開始時、調査官は①の売上について徹底的に追及して認めさせる。というようなスタンスでした。そこでこちら側からその点を認め謝罪を行い、異論無く修正を行いたい旨を先出ししました。
「あっそこは認めてもらえるんですね。」と言うような事を言われたことを記憶しています。それ以降は、和やかな雰囲気で進み予定より早めに税務調査が終了しました。
税務調査に来られる調査官も、何か指摘できる事項を見つける事を目標に来ています。①の件を認めた時点で、②の経費の件は指摘はされず、こちら側の主張が全面的に認められる結果になりました。
③の家賃の件に関しては、税務署に持ち帰り再度検討となりましたが、事前に整理しておいた家賃の50%程度が事業経費として使っている事の説明も受け入れてもらえました。
結論的には、指摘部分は売上の計上漏れのみで、事前に打ち合わせした内容で本税務調査は終結しました。
まとめ
税務調査時は、税務調査官と会社及び税理士事務所との信頼関係が大事です。なんでもかんでも反論し、終始討論で終わるような展開は望ましくありません。
本件は、まず売上の件を相手の想定以上に潔く認める事で、その後の主張に信ぴょう性が出ました。(税理士事務所が言うのであれば、そこは信頼しますとその後何度か言っていただきました)
事前準備にて、全体像を考えながら準備を行う事が重要です。
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