東京渋谷 税務調査相談センター | リンクエイジ会計事務所

全国対応可
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対応事例02
対応事例02

在庫の過少計上、私的家賃の計上

業種
卸売業(法人)
規模
年間売上15億円程度
調査終了までの期間
2か月(実地調査は2日)

相談内容

税務調査が入る事になり、顧問税理士が対応が出来ないので、サポートしてほしい。

依頼者が気になっていた点

  • 交際費をたくさん経費計上しているが大丈夫か
  • 毎年棚卸をやっているが、棚卸資産の金額が正しいか分からない。
    ※棚卸資産とは、仕入費用のうちまだ売却されておらず在庫として残っている分。(未売却部分は経費になりません)
  • 倉庫としてタワーマンションを借りているが、問題無いか

事前のすり合わせ

  • タワーマンションの1室が倉庫、という時点で必ず質問はされる。また、恐らく抜き打ちでタワーマンションを見に行くという事になると説明。税務調査時点では、既に倉庫としては使っておらず社員の寮にするために部屋内の整理をしているとの事だったので、居住予定の社員についての説明などを出来るようにと説明。
  • 確かに交際費の内容を見てみると、キャバクラなどの接待交際費が1枚の領収書で40万円など高額なものが散見された。但し売上高の伸びも毎年倍々に増えており、接待交際費の金額の合理性については大きな問題ではないと判断。特段の対応は不要だが、誰を接待交際したか、その領収書単位で当日説明が出来るようにと指導。
  • 前年度の棚卸資産計上額は3,000万円程度。仕入れや売却の管理にシステムを導入しているので、システム上でも同額が計算されているかを確認。システム上の棚卸額は、同額の3,000万円程度ではあったが、決算月に2,000万円程度廃棄処理している記録が残っていた。恐らくこの点を指摘され、何故廃棄処理をしたのか、その合理性の立証が必要であると説明。

税務調査結果

  • 予想通り、タワーマンションへの現地調査に行かせてほしいとの打診があり初日の午後に調査官、会社社長、税理士事務所で当該タワーマンションに行く。
    あまり生活感は無かったが倉庫という見た目では無く、税務調査官としても疑問が残る形で現地調査は終了。
    しかし実地調査終了後、税務調査官から連絡が入り、過去当該マンションに代表及び会社と無関係な人が出入りしている事が、関連資料から判明したとの通知が入る。改めて代表に話を伺ったところ、事業とは関係の無い形で使っているとの事を確認。
    税務署側も関連資料を抑えており、下手に言い訳や理由付けはせず、本件は認めた方が良い事を伝え、納得の上で私的利用を認め修正申告案件として処理。
  • 交際費については、どのようなお店か、誰を接待していたかなどを聞かれたが、事前に準備していた内容をしっかりと説明。後日検討となったが交際費についての指摘は無し。
  • 棚卸資産額の妥当性について、やはり何故決算月直前に在庫を廃棄処理したのかを聞かれる。
    厳密には、決算月に廃棄処理をした訳では無く、廃棄は各月必要なタイミングでしていたが、会社側の業務処理を決算月にまとめて行っていた事を説明。税務調査官としては、廃棄処理した2,000万円も在庫として処理すべきではないか?という見解。ただし、決算月にまとめて廃棄処理をシステムに入れること自体が直ちに不正や脱税になる訳では無い。また、会計事務所との事前の打ち合わせでも、在庫は事実3,000万円ていどしかない事を何度も聞いており、所感としても信用出来る内容だったので、ここは強めに主張を行った。
    税務調査官としても、廃棄処理したものが在庫であるという事を立証するのは難しい事、また税務調査期間後の進行期からは、会社による正確な実地棚卸をすることを約束することで、本件は指導にとどまり指摘事項にはなりませんでした。

まとめ

税務調査が始まった後に、同じチームとして税務調査に臨む会計事務所も知らなかった内容が出てきたことは残念でした。また、税務調査は事前準備が全てなので、税務調査中に新事実が発覚した場合、対処が出来ない事もあります。

今回の税務調査は、タワーマンション家賃の否認に全面的に同意し認める方向に向かった事で、他の交際費や棚卸資産の件などについては大きく追及されず、認めてもらう方向性に変更を行い、指摘を最小限に抑えた形となりました。

参考
料金表
税務調査
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